2016年8月16日火曜日

第3の波

近頃はもうサードウェーブという言葉さえ過去のものになった。
それだけ情報化社会の移り変わりは激しく、目まぐるしい。

サードウェーブとはコーヒー業界で主に使われた言葉だが、その意味は価値の再認識だったり、高品質で丁寧なコーヒーの提供だったり解釈も様々だ。

スペシャルティコーヒーもコーヒーロースターも丁寧な淹れ方も昔から存在したもの。
それにあたらめて光が当たったようなものだと自分は思う。

そして自転車業界でも近年、コーヒーに近いサードウェーブ現象が見られる。


GSC and Swift Industries Campout 2015! from Golden Saddle Cyclery on Vimeo.


バイクパッキングと名前を変えたキャンプツーリングが流行ったり、
昔からあるパーツが注目されたり。

流行の一環であろうが旅に出るのはいいことだと思う。
そして旅に出るための自転車は適当なものだとすぐ壊れてしまうので、
それなりの性能・価格のものになる。

そういう性能の良い高品質な自転車をメンテナンスしながら永く使い続ける、というのが
自分の考える自転車におけるサードウェーブ。

もともと日本人のDNAに組み込まれている、
「良いものを手入れして永く使う」という意識。
それはサードウェーブと重なるところもあると思う。


Being with CK. from Ryota Kemmochi on Vimeo.


コーヒーにおけるファーストウェーブは大量生産・大量消費だったらしい。
自転車もママチャリや量販店の格安自転車の数が圧倒的に多い現在の日本は
未だファーストウェーブの只中にいる。

しかし、少しづつ人々の意識は変わり始めていて、サードウェーブという言葉が
出るに至るまでライフスタイルも変わり始めている。

上の動画でChris King氏が言っている「どのように助け合えるか、どのように向き合うか」
それはどんな物にも当てはまるし、その意識を持つだけで生活がグッと豊かになる
気がします。

以前、何気なく見た新聞の記事で、
「物を大切にするのが日本人の美徳とおじいさんから教わった」という内容の文を
寄せていた年配の男性がいました。

インターネットでなんでも買える時代、人と人のコミュニケーションも希薄化したり複雑になっている。
その中でも大切にしなければいけない、日本の心を自分は忘れません。




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2016年8月9日火曜日

クルー感

クルー=CREW

乗務員や仲間、チームといった意味の単語。

そしてCREWは同じような奴らの集まりではなく、
異なった性格や人種の集まりであるほど、その存在が際立つ。






The CBNC Skin Tight Beer Drinking Suit from The Sleepers on Vimeo.






CREW感が極まると、その繋がりが視えるようだ。





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2016年7月13日水曜日

HYAKUSIKI





今や、ノーブレピスト公道レースの頂点であるRed Hook Criterium
そのレースで2016年シーズン4戦の中、すでに2勝しているSPECIALIZED ALLEZ ALLEZのコリン・ストリックランド。
彼の駈るバイクはSpecializedのAllez Sprint Track。

Specialized社が長年ラインナップしているアルミロードバイクAllez。
その最新バージョンであるAllez Sprintのトラックバイク版である。
剛性、空気抵抗を意識しカーボンキラーとも言われるAllez Sprint。
トラックレースにおける機材の寄与は数%であるかもしれないが、
その数%が勝敗を分ける。

Specialized Allez Sprint Trackは24金箔を使用した塗装に目が行きがちだが、
ゴージャス過ぎず、存在感を出しているアートワークを施したJon Takeo氏の仕事は素晴らしい。また、彼のライフスタイルも相当に格好いい。
良い仕事は良いライフから。




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2016年6月13日月曜日

足助の町と路地裏カフェのカレー

先日、グルメセンチュリーという自転車イベントにお手伝いで行ってきました。
一人で。



愛知県の岡崎駅に降り立ち、自転車を組み立て、豊田市足助地方へ向け出発します。







晴天、一足早い夏の日差しが日焼けしやすい肌を焦がしつつ山の奥へと進みます。
10kgほどの荷物を背負い、膝に爆弾を抱えつつ、しかし豊田の自然はそれらを忘れさせてくれます。




あっという間に足助の町に到着。そこは現代の過疎化が進む限界集落という印象は全く無く、昔の良き日本の文化を現代に継承する町並みがありました。






最先端の技術も素晴らしいですが、先人たちの美意識もまた素晴らしいものです。
自然を敬い、自然と共に生きる。
本来、日本人としてこの国に生きる一個人として当たり前だったことをあらためて、
思い出させられました。
また、人と自然、人と人は助け合わなければいけない。
それは自転車部品メーカーChris Kingの提唱する理念の一つであり、そのChris Kingが催すグルメセンチュリーというライドイベントに足助という土地はぴったりだと肌で感じたのです。



足助の町並みをゆっくりとクルーズし、いくつかの神社にお参りを済ませた後、急に空腹感に襲われました。近くにはアットホームな食堂もありましたが、せっかくなのでちょっと良い食事をしようと思い、この「路地裏のカフェ」へ。




注文したのはバターチキンカレー。腹ペコ補正も多分にあったかもしれないが、ここが足助という山奥の町だということを忘れるくらい美味しかった。
カレー、ライス、人参サラダ、大根の漬物、茹で卵全て美味しい。
お会計時に美味しかったですと思わず2回言ってしまった。大事なことなので。




昼食後はイベントの手伝い、と思いきやまだ準備が始まらないということで明日のグルメセンチュリーのコースの一部を紹介いただき12kmほどですが大多賀峠という峠道を走ってきた。途中、1mくらいの蛇がいたり鳥の声が聞こえたり自然いっぱいの峠でした。
今の時期がちょうど気持ち良く走れるでしょう。





峠から帰った後は会場の設営など準備に追われ、宿に帰ったのは夜の9時過ぎ。
ただ、初日からIGやブログなどで見ていた憧れの存在達を目の当たりにし、すでにアドレナリンは出尽くしていた。






今回のイベント、ライドには参加できなかったがその裏方を経験したことで、
いかにこのイベントを大切にしているか、このイベントにかける想いが主催者・スタッフそして参加者から伝わってきた。
「良いものを永く使う」「人と人の繋がりを大切にする」「お互いに助け合って生きる」
Chris King氏が理念とすることがこのイベントや参加者に浸透していっている。
本来日本人には潜在的に根付いているであろう意識。
それをこのイベントは再認識させてくれる。
語彙が足らず、他に形容する言葉が見当たらないが、

素晴らしいイベントだった。
この場に居れたことは自分にとって後に大きな財産になると思う。




東京へ帰る電車を待つ早朝の名古屋駅。
まばらな人たちの中に様々な人間関係を眺めつつ、
日常へと還る。





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2016年5月16日月曜日

ある坂の話2




あまり印象がなかったけど、実は坂が多い街 Los Angels。
激坂というよりもはや壁レベルの斜度30%オーバーの坂がいくつも存在する。

プロスケーターのDon "NUGE" Nguyenは斜度32%のBaxter Streetの坂を滑り降りた。
この動画を見ても彼の勇敢な行動が理解できない人は、永遠にスケートボードを
理解できないだろう。

それは置いておいて、この坂行ったことは無いがどこかで見たことはあった。


The 10 Anniversary of Feel My Legs I'm a Racer! from Golden Saddle Cyclery on Vimeo.



コレですね。
行ってみたいな〜LA。


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2016年4月14日木曜日

結局地元




自動車や飛行機などで世界中どこへでも行けるようになったけど、
地元の本当の魅力は知っているか。

あまりにも日常的で当たり前のものでも角度を変えてみるとあらたな発見がある。




東京都なのに山しか見えない風景があったり、





ものすごいキャンプ場があったり。

車や飛行機では通り過ぎてしまう場所も自転車や歩きなら行くことができる。
地元という言葉は日本人の感覚だと市町村単位の意味だったりするけど
それを都道府県単位にまで広げるとまだまだ知られざる”地元”を発見できる。



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2016年4月13日水曜日

ある坂のある風景





坂のある風景
その先に見たことのない景色を求め
今日も坂を上る



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2016年4月9日土曜日

Riding Behind the Curtain #02




ポーランドからヨーロッパのディープな自転車シーンを伝えるWebメディア

Podia cc

そのPodiaのチームPodia/Festkaがスロベニアの山岳地帯を走ったライド映像。
PodiaのWebでは美しい写真とライドの詳細な記事が見られる。

個人的にライドの映像も素晴らしいが、BGMが頭に残った。









超B級SF映画の代名詞とも言える「アイアンスカイ」のオープニングよりライバッハの
Take me to heavenとフランス映画の代表格「アメリ」から巨匠ヤン・ティルセンのSoir de fate。
両方とも映画の音楽だが、Podiaの映像に最高にマッチしている。
選曲した人になんらかの賞を送りたい。

とくにTake me to heavenは印象に残り、先日ラピュタ坂を上っている最中も何故か脳内再生していた(爆音)
もうちょっとで天国に行くところだったのかも。
Podiaのライド映像の後半で斜度22%の看板がでている箇所を走っているが、激坂や峠など
上る際の脳内BGMはRockやHiphopやEDMでなくこういう音楽が良いのかもしれない。




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2016年4月8日金曜日

ラピュタ坂





東京近郊に在住のサイクリストの方ならうっすら聞いたことがあるかもしれない。

「ラピュタ坂」

東京八王子から神奈川相模原を結ぶ和田峠、その先に位置する三国山の登山口に
至るまでの坂道がいつからかそう呼ばれるようになった。
由来は不明だがジブリの『天空の城 ラピュタ』からきていることは間違いない。
この750mほどの坂道を攻略することがラピュタに行くことと同じくらい難しいのか、
ゴールからラピュタが見えるからか、映画に似た様な坂が出てくるからか。
それはこの坂を上った者だけが理解できる。

さて、このラピュタ坂。
急坂、激坂、壁、など坂の勾配を例える言葉は数あれどラピュタ坂を例える言葉は思いつきにくい。例えるなら、そうだな…




作画崩壊。そんな感じ。
東京の閑静な住宅街であれば間違いなく階段&手すりが導入されるレベル。
もちろん、そんな親切が神奈川の山奥にある訳もなく。
いちおうラピュタ坂750m圏内に5~6世帯が暮らしているのだが99%の方が自動車移動であると、たまたま下山中に逢ったご婦人からお話を伺うことができた。
ラピュタ坂を”歩いて”上る人も近隣の世帯では彼女だけなんだそうだ。
唯我独尊。そこにリスペクトがある。




坂の話に戻る。
このラピュタ坂、750mといたって短距離ではあるが平均斜度は19%,最大斜度は28%くらいと激坂と呼ばれる他の坂と比べてもあきらかに異次元。
そして道幅は軽自動車がかろうじて通行できるレベル。
路面は7割ガレっがれ。
蛇行しようものなら左側の崖から落ちるか右側の薮に突っ込む。もしくはコンクリのひび割れにタイヤがはまって立ちゴケする。
できるだけ前を見て小石やひび割れを避けつつ、フルパワーでペダルを踏まないと自転車が進まない。




途中に「竹の子の里 活性化センター」なるものがあるが、ここはラピュタ坂のゴールではない。ここで半分ちょっとくらい。明治製菓との関わりは不明。

ちなみにこの数m先が激震地とも爆心地とも呼ばれるラピュタ坂の最大勾配区間。



激震地の路面はいたって綺麗なのよね。
この辺まででサイクリストの脚力、メンタル、テクニックなど全て試される。気がする。
しかしココも全力で踏みます。(インナーロー)





見た目は楽そうなんだけど走ると辛いやーつ。16~18%くらいの斜度。
このあたりで心拍数も限界を超え、口の中が鉄の味になります。




最後の辛いセクター。
17~20%台の坂を越え、28%の激震地をやり過ごし、心拍も限界、口の中はクロモリ味
ようやくゴールかと思いきや、なんだこの仕打ちは。
最後にきて23~25%くらいの傾斜。
このあたりでふくらはぎが爆発しそうになります。
が、まだ全力で踏みます。ふくらはぎくらい爆発したっていいや。




ゴゥール。
父さん、ラピュタはあったよ。相模原に。

登山口まで行ったら思う存分休みましょう。
近隣の人がいたら挨拶も忘れずに。面白いハナシが聞けるかもしれません。




下りはこんな感じなので歩いて下ることをお勧めします。
歩きでもSPD SLでは足をくじくこと必至。
ちょっと足裏が痛いですが靴脱いだ方が安全かも。




帰りは思う存分写真など撮って帰りましょう。
もちろん地元の方への配慮も忘れずに。
ラピュタ坂入り口付近に熊野神社があるのでお参りしましょう。





ラピュタ坂を足つき無しで登れると坂への恐怖心がなくなり、自身がつきます。
あとちょっとだけ自慢できます。
自分は脚力がないと思っている人でも案外上れたりするものです。

No Pain, No Gain 
苦労無くして得るもの無し。

さて、明日はどこを走ろうか。



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2016年3月11日金曜日

Tears of ...



From the heart feel cry for joy and pain
From that heart feel smile and laugh
Tears of sadness in the tears of joy
After crying it is all the same
Here are come down to the thought mixture are from the heart
The gladness they we share from our heart

切な過ぎたことも楽し過ぎたことも
悲しいときの涙も嬉しいときの涙も
流してしまえばみんな同じ
それは心があるということ
そこから雫が生まれるということ


2011.3.11
あの日を忘れぬ為に



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2016年1月12日火曜日

SHARE THE ROAD

SHARE THE ROAD. from STINNER Frameworks on Vimeo.


米国カリフォルニアで今、一番勢いのある工房Stinner Frameworks
この度公開した動画は異色ともいえるロードバイクとダウンヒルスケーターのコラボレーションである

ヴィバルディの四季より夏にのせて描かれているのは、単に同じ道を走っているという括りではなく人生における一瞬を共有しているといえる

この動画の冒頭にある小説の一文が書かれている

"Nothing behind me, everything ahead me, as is ever so on the road."  - Jack Kerouac

路上こそ人生、道は前にしかない
進み続けよう。



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