2016年4月8日金曜日

ラピュタ坂





東京近郊に在住のサイクリストの方ならうっすら聞いたことがあるかもしれない。

「ラピュタ坂」

東京八王子から神奈川相模原を結ぶ和田峠、その先に位置する三国山の登山口に
至るまでの坂道がいつからかそう呼ばれるようになった。
由来は不明だがジブリの『天空の城 ラピュタ』からきていることは間違いない。
この750mほどの坂道を攻略することがラピュタに行くことと同じくらい難しいのか、
ゴールからラピュタが見えるからか、映画に似た様な坂が出てくるからか。
それはこの坂を上った者だけが理解できる。

さて、このラピュタ坂。
急坂、激坂、壁、など坂の勾配を例える言葉は数あれどラピュタ坂を例える言葉は思いつきにくい。例えるなら、そうだな…




作画崩壊。そんな感じ。
東京の閑静な住宅街であれば間違いなく階段&手すりが導入されるレベル。
もちろん、そんな親切が神奈川の山奥にある訳もなく。
いちおうラピュタ坂750m圏内に5~6世帯が暮らしているのだが99%の方が自動車移動であると、たまたま下山中に逢ったご婦人からお話を伺うことができた。
ラピュタ坂を”歩いて”上る人も近隣の世帯では彼女だけなんだそうだ。
唯我独尊。そこにリスペクトがある。




坂の話に戻る。
このラピュタ坂、750mといたって短距離ではあるが平均斜度は19%,最大斜度は28%くらいと激坂と呼ばれる他の坂と比べてもあきらかに異次元。
そして道幅は軽自動車がかろうじて通行できるレベル。
路面は7割ガレっがれ。
蛇行しようものなら左側の崖から落ちるか右側の薮に突っ込む。もしくはコンクリのひび割れにタイヤがはまって立ちゴケする。
できるだけ前を見て小石やひび割れを避けつつ、フルパワーでペダルを踏まないと自転車が進まない。




途中に「竹の子の里 活性化センター」なるものがあるが、ここはラピュタ坂のゴールではない。ここで半分ちょっとくらい。明治製菓との関わりは不明。

ちなみにこの数m先が激震地とも爆心地とも呼ばれるラピュタ坂の最大勾配区間。



激震地の路面はいたって綺麗なのよね。
この辺まででサイクリストの脚力、メンタル、テクニックなど全て試される。気がする。
しかしココも全力で踏みます。(インナーロー)





見た目は楽そうなんだけど走ると辛いやーつ。16~18%くらいの斜度。
このあたりで心拍数も限界を超え、口の中が鉄の味になります。




最後の辛いセクター。
17~20%台の坂を越え、28%の激震地をやり過ごし、心拍も限界、口の中はクロモリ味
ようやくゴールかと思いきや、なんだこの仕打ちは。
最後にきて23~25%くらいの傾斜。
このあたりでふくらはぎが爆発しそうになります。
が、まだ全力で踏みます。ふくらはぎくらい爆発したっていいや。




ゴゥール。
父さん、ラピュタはあったよ。相模原に。

登山口まで行ったら思う存分休みましょう。
近隣の人がいたら挨拶も忘れずに。面白いハナシが聞けるかもしれません。




下りはこんな感じなので歩いて下ることをお勧めします。
歩きでもSPD SLでは足をくじくこと必至。
ちょっと足裏が痛いですが靴脱いだ方が安全かも。




帰りは思う存分写真など撮って帰りましょう。
もちろん地元の方への配慮も忘れずに。
ラピュタ坂入り口付近に熊野神社があるのでお参りしましょう。





ラピュタ坂を足つき無しで登れると坂への恐怖心がなくなり、自身がつきます。
あとちょっとだけ自慢できます。
自分は脚力がないと思っている人でも案外上れたりするものです。

No Pain, No Gain 
苦労無くして得るもの無し。

さて、明日はどこを走ろうか。



Bicycle&Lifecycle   NICO







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